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ミルク・スラムドッグミリオネア・グラントリノ

先々週末は、「メイプルソープとコレクター」「ミルク」「スラムドッグ・ミリオネア」を鑑賞。
先週末は、「アンティーク」「グラン・トリノ」を鑑賞しました。

少しずつ感想を。

「メイプルソープとコレクター」・・・5本の中で一番これが好きです。メイプルソープの名前と写真が、ポスターにはどどんと出てますが、このドキュメンタリーの主人公は実はコレクターの方。このタイトルとビジュアルにした配給会社に拍手。私は、メイプルソープをあまり良く知らなかったので見に行ったのですが、そういう輩や、メイプルソープ好きで、彼のドキュメンタリーだと思った人達にヒヤッとしたものをつきつける作品でした。ミニマルアート、写真、ロバート・メイプルソープとのパートナーシップなど、色々なものに手を出し、その全てに抜群の才能を発揮し、人生にもがき、そしてエイズで死んでいったワグスタッフ。アートというものは、必ずしも表現者達だけのものではなく、キュレーターやコレクターも、その行為によって表現しているのだとつくづく思いました。また、アートには、少なからず「現実に対する違和感と、そこから解放されたいという欲望」と結びつくものがあるのかもしれませんが、彼の生き様には、同じように現実に違和感を持つ者として共感しました。とにかく、良いドキュメンタリーを見ました。

「ミルク」・・・期待しすぎたのかもしれません。ハリウッドのベタベタな伝記映画と、ガス・ヴァン・サントの散文詩的な映画作品。この作品はそのどちらにも振り切れておらず、それがあまり合わなかったようです。おぉ、盛り上がるのかなぁと思うとラブシーンが入り(監督のセクシャリティ上、そういった側面も取り入れたかったのでしょうか・・・)、事実を元にしているので、ものすごく詩的になりえるかというとそうでもない。私は「パラノイド・パーク」や「ラストデイズ」がとても好きなのですが、それを期待しちゃぁねぇ、といった感じでしょうか。でも確かにショーン・ペンは上手かった。「ハーヴィ・ミルク」というドキュメンタリーも見たのですが、目が大きいハーヴィ本人と、目が小さいショーン・ペンは顔は全く似ていないけど、フワフワした仕草や跳ねるような明るさはよく似ていました。

「スラムドッグ・ミリオネア」・・・これまた期待しすぎたのかも。いや、とても面白かったです。原作、脚本、キャスティング、撮影、全て良くできていて、大げさだけれど、「映画の可能性」的なものを感じてしまうほど。ゾンビが出てきたり、宇宙に行ってみたり、やや迷走していたように思えるダニー・ボイルの、初期の疾走感溢れる画面構成や、色彩が戻ってきた!活かしどころはアジアにあったんだ、と膝を叩きたくなりました。
ただ・・・見ているうちに、これって「普通じゃない in インド」では、って気がしてきてしまって。
ウォン・カーウァイの「マイ・ブルーベリー・ナイツ」が「恋する惑星 in アメリカ」だったのと同じように、撮影場所を変えても、いや、変えることによって、よりその人の作風が強調されるとすると、ダニー・ボイルは深い思想やジリジリとした心理描写ではなく、疾走感!色彩!空!子供!惹かれあう男性と女性!金!等々なのかなぁと思えてきて。アカデミー賞8部門とかいうと、映画史そのものを変えてしまうかのような錯覚に陥りますが、どちらかというと、この映画の素晴らしさは、企画、脚本の妙であり、異国での撮影や、素人の俳優をまとめて撮り切った監督の力量なのかなと。それは本当に拍手に値するのですが、私はミニマムでも良いので、心理的にグッとくる映画が好きらしく、そういう意味では乗り切れなかったのでした。

「アンティーク」・・・久しぶりに韓国映画を見ました。ギャー、ミュージカルみたく踊ってる!前の3作品のどれとも違う、「カッコイイ男性をファンの女性のために最大限カッコ良く見せるサービスショット満載」な映画って、韓国映画にはたまにあるんだった・・・しかし、韓国の俳優さんは本当にスタイルが良いですね。それほど顔がかっこよくなくても(失礼)、身長が高くて筋肉があるから、見ていて華があるよなー。韓流好きのおばさまって、韓流スターの顔が好きなんじゃなくて、カラダが良いところに、長年の女としての勘で惹かれているんじゃなかろうか、と思う今日この頃です。・・・とにかく、主役のチュ・ジフンのイケメンぶりを楽しめたんですが、今日芸能ニュースを見たら、彼が麻薬で捕まってしまったとのこと。勿体無い!映画の公開も大丈夫でしょうか・・・

「グラン・トリノ」・・・するめのように、何回も何回も反芻してしまう、良い映画でした。男の子は、通過儀礼としてこの映画を見た方が良いと思います(笑)。
銃をかざしていた血の気の多い男の価値観は、老いたときにどのように変わるのか?イーストウッド演じるコワルスキーの行動は、彼が俳優として演じたダーティ・ハリーのその後や、広い意味ではアメリカという国のその後を考えさせます。

そんな、一つの時代を作り上げた映画の傾向に対する答え、生き方・老い方に対する答え、ましてや国のあり方に対する答えを映画の中で示せるなんて、これは本当にイーストウッドにしか、そして彼の年齢でしかできないことだと思います。とにかく男の子は老いも若きも映画館に走り、イーストウッドの薫陶を受けてほしいです。

さて、GWは取りこぼしていた映画を見つつ、15日の「天使と悪魔」が楽しみです(笑) これぞミーハー!

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もう小説は読まない

先日、同期の女子と半年ぶりくらいにご飯を食べた。

その久しぶりの会食の話題の中で出てきたのが、「小説、読まなくなったね」ということ。お互い、小説をけっこう読む方だったのだけど、ふと久しぶりに会ったら、どちらも小説を読まなくなっていたのだ。この不思議。

じゃぁその代わりに何を読んでいるかというと、彼女は「海外のTVドラマをかけながら、ヨガをやりながら日経ビジネスを読む。たまにイチゴに手を伸ばす」。私は「邦画をかけながら、ピラティスをしながらビジネス書を読む。ときおりビールを飲む」。ということで、二人とも3つくらい同時進行しながら本、しかもビジネス系の本を読んでいる訳です。

これ、私と彼女が社内のポジショニング的に成功していたら、「それは素敵な余暇の過ごし方で」となるんだけど、そうではない。能力も中途半端で、独身で、という私たちは、男の子たちに追いつくために、3つ4つ同時進行して自分を磨いているけれど、全然届かない。

「小説、読まなくなったねー」と彼女は言った。私も同意した。夜を徹して、コーヒーを飲みながら、空想の世界に浸っていられた時期というのは、若さや希望という担保や余裕があるからこそできたことなのかもしれないな。

次に読むときは、ある程度 自分に満足したときでしょう。グッバイ小説。

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フロスト×ニクソン、ウォッチメン

「フロスト×ニクソン」、日比谷シャンテシネで朝イチで見てきました。公開から一週間経ってましたが、なかなかの混み具合。一人で来ているおじさんばかり。通路の端で腕組んで寝てて、席に入れないっつーの。お前らがニクソンかよ!と心の中で突っ込みたくなるようないい味が出ている方ばかり。

あらすじはこんな感じ。・・・ウォーターゲート事件で大統領を任期中に辞任することになったニクソン。彼に恩赦がなされたことによって、釈明や釈明を求めていたアメリカ国民達の不満は最高潮に達していた。イギリスやオーストラリアで活躍していているものの、かつてはアメリカでも成功していた司会者のフロストは、自分の起死回生の意味もこめて、ニクソンにインタビューを申し込む。ボクシングのように、質問で責めるフロストと、余裕でそれを交わすニクソン。計4回のインタビューは、3回目まではニクソンの圧勝になるかに思えた。果たしてフロスト×ニクソンの対決の結果は?

といった感じなのですが、これが本当に面白く感動的で、私は途中から泣きっぱなしでした。元々こういった実話に基づいた話、男の人がチームで何かに向けて頑張る話、政治とマスコミが絡んだ話(「グッドナイト・グッドラック」とか)が大好きなので、それで余計に感動していたのだとは思うのですが。

あの「ノッティングヒルの恋人」のワーキングタイトル社が手がけていることもあり、地味ながらとても堅実な作り。役者さんが全員適役で、彼らの演技を見ているだけでも楽しい。「クイーン」でブレア首相を演じたマイケル・シーン(フロスト役)、舞台でもニクソン役を演じていた(って、私 この映画が舞台が元だって知りませんでした)、フランク・ランジェラ。「プライドと偏見」のマシュー・マクファディン。(この人が出てくるなり、タイプだなーと思っていたのだが、「プライドと偏見」の人とは気付きませんでした・・・「プライドと偏見」のときも好きだったなぁ。やっぱり人には好みのタイプというものがあるのですね・・・) とにかく、緊迫したストーリーをまったく損なわない、上手い役者さんばかりで、どんどん話に引き込まれていきます。

ブッシュ大統領が最低の支持率で辞めていったアメリカ、2人の首相が、国民もわけがわからないうちに辞めていった日本においては、この映画が作られた意味も何となくわかったような気がして。そういった意味でも感動です。

対して、「ウォッチメン」。原作を少し読んでいきましたが、最初しか読んでなかったので、途中から映画を見ていてもチンプンカンプン。難しいし、長い。でも、こちらも今 作られた意味が少しだけわかる。単純明快なヒーローものではなく、それぞれの個性を持ったヒーローがもがき、結論を出し、世界のために自分の力を少しだけ貸す。

なんか、「ワルキューレ」も「フロスト×ニクソン」も「ウォッチメン」も、世の中を少しでも良くするために、男性がチームで動く(そして、これが現代の反映なのか、必ずしもそれが上手くはいかない)映画ばっかりだったな。これは不況のせいなのか?環境問題を孕んで少しずつ滅びに向かっていく世界の象徴なのか?とにもかくにも、設定の年代や原作作成時期が古いので、男性ばっかり、というところが少し切ないですけどね。ガラスの天井的なものを実際に感じている身としては。

そして、ニクソンが2作も出てきたのには、驚きました(笑) 辞めたときには不人気でも、後世では悪役テイストで人気だなぁ。

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トワイライト&ワルキューレ

あぁ。初日に見に行ってしまいました、「トワイライト」。全米で原作はベストセラー、映画も大ヒットを記録した、端的に言えば"好きになってしまったあの人はヴァンパイア"、な作品です。

離婚した両親のうち、母親と暮らしていた少女ベラが、父親と暮らすことにして引っ越した街、フォークス。そこにはカーライル家という不気味な家族が住んでいて・・・その一員であるエドワードと同じ高校に通うことになったベラは、不思議な魅力を持つエドワードに惹かれていく・・・といった話です。

私はラブストーリー映画好きなので、こういう作品は素直に応援したい。しかも、エドワードを演じるロバート・パティンソンは、見ようによっては「ん?」というところもあるものの、基本的には背も高く顔も端正で、役柄も手伝ってか、今どきいないタイプの魅力を持っています。そういう素敵なスターを前面に出した映画って、最近ないのでいいじゃないですか。しかもアメリカではこの映画にティーンや若い女性が殺到したらしいのですが、今時のティーンってあんまり映画を見に行かないように思えるので、そういう層に届く映画の出現っていいなぁと思って。

ヒロイン役のベラは「イントゥ・ザ・ワイルド」でも好感を持っていたクリステン・スチュワート。ちょっと暗めの女の子という設定で、髪や目が黒いから親近感も湧きます。監督は「ロード・オブ・ドッグタウン」のキャサリン・ハードウィックで、題材が題材だけに撮り方がベタな部分もあるけど、それほどいやらしくはなく、「ロード・オブ・ドッグタウン」のように、若さという瞬間を切り取っていくのが上手。そういう意味では、内容はスイートでも「おえぇ」となることもあまりなく、スッキリと楽しめる映画でした。

でも。わたくし、見終わって愕然としたのです。あれ。お腹にガツンと来ない。

・・・たぶん、そもそもの映画の作りのせいだとは思うのです。周りの人もそんなこと口にしてたし。

だけど、だけど。私、ぜったい年取った!年齢のせいでマイナス15%くらい、感動が差し引かれてる気がする。20代だったら、ロバート・パティンソン格好いい!とハマッたと思う。友達と「こういうシチュエーション萌えるよねー」とお茶飲みながら話もしたと思う。・・・・思えん。全然思えません。観客は、カップル、10代後半か20代前半の女性2人組、あとは10代後半の腐女子系2人組が多かったのですが、その人達が「夢のような設定だねー」「癒されたねー」と話し、トワイライトのポストカードやクリアファイルを買い込む背中に向かって「そうだね。本当にそうだね。だけど、そういう世界に逃げ込んで行動しないと嫁に行き遅れるよ。グッドラック」と呟いている自分がいました。「みんなは頑張れ!」と、未来ある若い観客達にエールを送っている自分がいました。

「トワイライト」を見て、辛うじて引き止めていた"青春"や"若さ"が自分から失われていたことにいまさら気付くなんて・・・虚しい。虚しすぎる。何でこの映画見て気付かなあかんねん。

そして、あまりにしょぼんとしたので「ワルキューレ」を続けて見ることに。知り合いがこの映画について、おっさん濃度が高いとブログに書いていたので。おっさん。私に今必要なのは、自分が永遠に行けないプロムの話じゃなくて、おっさんの光を反射しない肌の輝きの鈍さなの。おじさん、おじさーーーーん!

そして、「ワルキューレ」を見てようやく満足がいったのでした。17歳の話と、おっさんが出てくる話を見たことで年齢が平均されて、ようやく30代の自分の中でバランスがとれた感じです。ふぅ。

って、何の話かよくわからなくなりました。

でもね、どっちも面白かったです。結果的には良い組み合わせだったのかも(笑)

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